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1.教室の沿革
旭川医科大学小児科学講座は、大学が創設された翌年の1974年に設置されました。来年2003年には開講30年を迎える若い教室です。当講座は初代吉岡 一教授(在任1974〜1990年、細菌感染症・臨床発達薬理学)により創設され、二代目奥野晃正教授(在任1990〜2000年、内分泌学)を経て、現在三代目藤枝憲二(在任2000年〜、内分泌学、分子生物学)が北海道大学から赴任し主宰しています。2003年7月現在、スタッフとして伊藤善也講師、梶野浩樹講師、中江 淳講師、林 時仲講師(周産母子センター)以下、助手6名(周産母子センター1名、救急部1名)、医員11名、大学院生2名、研究生3名、研修医8名が在籍しています。その他、国外に2名、国内に3名が留学中です。2002年にはNICU6床の新生児室を含む周産母子センターも発足しました。 旭川は地勢状、北海道のほぼ中心に位置しており、旭川市周辺および北海道の北部ならびに東部という広大な地域を医療圏として、各地域の基幹病院との連携の下、あらゆる小児疾患の診療と小児の健康管理を担っていると自負しております。大学内では内分泌・糖尿病、神経、循環器・腎臓、血液・腫瘍、新生児、感染・免疫、遺伝の7診療グループに分かれて小児科診療の全分野を網羅しています。病気だけではなく病気に悩む子どもとそれを取り巻く家族を慮りながら、また子どもの成長と発達をも視野に入れながら、全人的な医療を行うことを大切にしています。
2.研究システムについて
一般小児科研修を終了後大学に戻りサブスペシャリティーを目指しますが、大学に在籍している間は、リサーチカンファレンス、クリニカルカンファレンス、抄読会などで研究内容が吟味されます。研究グループごとにその研究内容を簡潔に紹介いたします。 神経グループは自閉症や睡眠障害などを中心とした高次脳機能の研究を、動物実験を中心に進めています。循環器・腎臓グループは成長ホルモンに関る心筋のシグナル伝達や、心拍変動に関する研究、動脈管に関する研究などを、やはりモデル動物を用いて行っています。血液・腫瘍グループは造血幹細胞の増幅やTリンパ球の分化機構を、新生児グループは母子間の正常細菌叢のゲノム比較やIUGR(子宮内発育遅延)の原因遺伝子究明を、感染・免疫グループはサイトメガロウイルス感染症や細胞障害性Tリンパ球に関する研究を、遺伝グループは先天奇形症候群の原因遺伝子究明を主なテーマとして、それぞれ精力的に研究に当たっています。各研究グループ内でのディスカッションはもちろんですが、グループ横断的な研究テーマも進められており、また、教室内全体のリサーチカンファレンスを定期的に開催して、研究の方向性や進捗状況などが確認されるようなシステムとなっています。 また、各領域におけるエキスパートの先生方を国内外よりお招きしてのセミナーを年に5、6回前後開催しており、第一線の話題を吸収すると同時に、お招きした先生とのディスカッションの中から新たな方向性などが見い出される場合もあり、大変有意義なものと思っております。
3.内分泌・糖尿病グループの紹介
内分泌疾患および糖尿病を主とする代謝性疾患全般を診療・研究領域として扱っています。構成員としては伊藤善也講師、中江 淳講師をはじめ、医員1名(向井徳男)、大学院生2名、研究生1名からなります。この中には海外留学経験者や国立基礎生物学研究所など国内他施設での研究経験者もおり、それぞれが得意分野を活かしつつ、互いに切磋琢磨できるような環境を形作っております。さらに、北海道内の基幹病院の大部分をはじめ、北海道大学医学部小児科学講座の内分泌・糖尿病グループとも幅広く連携し、日夜、診療・研究に立ち向かっています。[臨床的研究]成長障害、副腎疾患、性分化異常、甲状腺疾患、糖尿病や肥満を主な研究フィールドにして、それらの病因病態解析を目的に研究を行っています。[基礎的研究]分子生物学的手法を用いて、各種疾患の原因遺伝子の解析や同定した変異遺伝子の機能解析などを行っています。特に副腎疾患の病因遺伝子であるDAX-1やStARはいつでも解析可能で、国内はもとより国外からも解析依頼が寄せられております。その他、成長ホルモン欠損ラットを用いて、心臓に対する成長ホルモンの影響等を調査するプロジェクトが当教室の循環器・腎臓グループとの共同研究で進行中です。さらには思春期発来とゴナドトロピン関連遺伝子のSNPsとの関連の検索や、先天性甲状腺機能低下症における原因遺伝子の探索、GATA3のステロイド産生臓器での役割の検討も進行中です。また、糖尿病との関連が次第に解明され注目を浴びるようになってきたFoxo1という転写因子の機能解明に向けて、トランスジェニックマウスの作製や、ノックアウトマウスの解析などをはじめ、多彩な手法を用いてその全貌に迫るべく、中江 淳講師が中心となって精力的にプロジェクトを推し進めています。 以上のように、旭川医大小児科学講座は旭川市郊外の豊かな自然環境のもと、清新の気風溢れる良き伝統を大切にしつつ、国内はもちろん、国際的に高く評価されるような診療・教育・研究を行うことを目指して、日夜自由闊達な議論と笑い声の絶えない講座です。 当教室に興味をおもちの方はぜひホームページを合わせてご覧ください。(http://www.pediatric-world.com/asahikawa/)
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